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SPECIAL

講師紹介

【糸かけ師】島袋愛

今回ご紹介するのは、糸かけ師の島袋愛さんです。糸かけと聞くと、曼荼羅をイメージされる方も多いと思いますが、愛さんが伝承されている糸かけは曼荼羅ではありません。どういった形のものなのか、簡潔にご紹介していきたいと思います。(もっと詳しく知りたいという方は、是非講座まで。笑)

花かけ曼荼羅という作品を見て、糸かけに興味を持つようになった愛さんは、糸かけ曼荼羅協会にて、基本的な知識を学びました。次第に自身の作品作りもするようになり、その中で、「糸かけ曼荼羅には限界がある」ということを感じるようになりました。素数を用いて作られる糸かけ曼荼羅だと、どうしても表現に制限がかかってしまいます。もっと自由に、制限なくアートを創造できる手法はないのかと模索をしていたところで出会ったのが、糸かけデザイン研究所の岡田晃次先生でした。素数ではなく、数式から導き出して創作する方法で、「これが本当の芸術だ」と、愛さんは深く感動しました。

岡田先生のもとで学んだ知識をもとに、現在は糸かけ師として様々な作品を生み出したり、創造する楽しさや素晴らしさを伝える活動をしています。

こんな人におすすめ

糸かけに興味がある人
新しいことに挑戦したい人
表現する方法を探している人

今回は、初めての方でも気軽に受けられる講座を開講していただきます。

「難しそう」「私できるかな」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、まずはやってみることが大切です。実は、愛さん自身も釘打ちが苦手だったのだそうで…。歪んだり、斜めになったりして、釘の高さが合わないことがその要因となっていました。しかし、釘の高さの違いを個性として認められたことで、心が軽くなり…。同時に、愛しささえも感じられるようになったのだそうです。

上手、下手ではなく、自分を表現する場として活用してもらえたらと話されていました。アートな世界に触れてみたい方、新たな表現方法を探されている方は、必見です。

糸かけを通して、伝えたいこと

現在は、福祉施設や介護施設などでも、糸かけのワークショップを実践されています。

糸かけを一緒にすることで、様々な表現法があることを知り、それぞれの個性を理解することができます。その中で自分自身の作品も認められるようになり、自己肯定感も上がります。その他にも、できたという達成感が味わうことができたり、新たな気づきに繋がったりと、嬉しい産物を多く得ることができます。

人には、たくさんの可能性が眠っています。好きなことを極めるということを通して、また新たな自分を発見することができます。「伝えるよりも気づかせることが大切」だとおっしゃっていた、愛さん。枠にはまらない自由な表現ツールを伝えることで、それぞれの可能性の扉を開くお手伝いをしています。

編集後記

取材中に最も心に響いたのは、「糸をかけることは、縁と同じ」という言葉でした。糸かけは、釘が一本でもかけてしまうと成り立ちません。美しさとは、みんなで作り上げるものだとお話してくださいました。

人とのご縁も、糸かけとどこか似ていて、一人がかけてしまうと成り立ちません。「糸かけをしていると、ご縁が繋がるようで嬉しい」と話されていた、愛さん。人がそれぞれの個性を認め合い、自己をのびのびと表現することができる…。そんな優しい世界が広がっていくといいなと感じました。